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スーツの辞典
スーツのお手入れ

お気に入りのスーツをかっこよく、綺麗に、そして長く着るためにはメンテナンス(お手入れ)が必要不可欠です。
一日着たら次の日は休ませてあげるなどの配慮の他にも、いろいろなメンテナンスでお気に入りのスーツをいた
わってあげてはいかがでしょうか。


ブラッシング   アイロンプレス   保管・収納   汚れた時の応急処置   クリーニング

スーツを着た日は、必ずブラッシングでケアしましょう。一日仕事に出ただけでスーツには見えないホコリ
やチリがたまります。そのままにしておくと繊維の間にホコリやチリがどんどん詰まってスーツを痛めてし
まいます。毎日のブラッシングでホコリやチリを掻き出すことが、スーツの寿命を延ばすコツです。

    

ワンポイントアドバイス
@ブラッシングをする目的

ほこりや汚れが繊維の内部にしみこまないうちに、は毛をかけ、繊維から取り除いてしまうた めにブラッシングをする必要があります。また、ブラッシングを行うときに、シミやほころびなどを見つけ出すよう心がけて、その場で手当てをすれば、汚れや破損を大きくしないですませることができます。


Aブラッシングのかけ方

布地の表面や織り目に入ってる、チリやホコリ等を払い落とすときに、布地の風合いをそこねないように、繊維や織り方に適したブラシを選び、縫い目にそってかけるのがコツです。


Bブラシの種類と使用法

  1) 植物性繊維のブラシ

      みご(わらの皮を除いた上部のくき)のほうき型のブラシが多く、
      平織りの毛織物用で大きなゴミやホコリを払うのに用います。

  2) 動物性繊維のブラシ

     馬や豚の毛を植えた洋服用ブラシです。スーツなどの毛織物や
     合成繊維と羊毛との混紡織物などに用います。

  3) 小型ブラシ

     羊やたぬきなどの毛を植えた歯ブラシ型のもので、毛織物・絹織物
     などの縫い目や、細かい飾りなどの部分のホコリ落としに用います。

  4) 動電気ブラシ

       電気掃除機の付属品に、服のホコリとりブラシが付いているものや
       で電池式の小型ブラシなどがあります。これらは、ホコリを吸い取る
       力が強いので、布地の上をゆっくりと前後左右に滑らせる程度にして
       おいた方がいいでしょう。


Cブラシの選び方

ブラシは、植えてある毛足の長さによって布地に加えられる力が違ってきます。また、毛の太さが同じであるならば、毛足の短いものほど、繊維に対するあたりが強くなります。ホコリを払うのであれば毛足の長いもの、汚れをとるのであれば短いもの、起毛していない生地なら固めのもの、フラノなど起毛している生地なら柔らかいブラシを選びましょう。




ブラッシング   アイロンプレス   保管・収納   汚れた時の応急処置   クリーニング

毎日着ていたり、雨の日に外出するとすぐにシワになってしまうスーツ。パンツの折り目がビシッと入っている
か、または上着の背中がシワだらけになっていないかなどでスーツの着こなし方やその人のイメージが、見る
人によって印象がだいぶ変わってくるものです。シワを取るにはアイロンが必要不可欠です。生地を傷めない
ために当て布をして、湿気を与えながらアイロン掛けをするのがコツです。

ジャケット
まずは肩の部分から袖口にかけて、アイロン台のとがった部分にかぶせるようにします。肩のラインを崩さないように力を入れすぎないように内側から外にかけるのがコツです。
前身頃がアイロン台の上に来るようにずらしていくのがポイントです。胸のあたりから折り返した衿の裏側にかけてプレスします。衿の表の方からかけるとつぶれるので要注意です。
背中は平面になっているのでかけやすく、中心から外に向かって広げていくようにアイロンがけをします。裏地がない場合は裏からかけてもいいでしょう。
最後に腕にもプレスします。ここも立体的になっているので、つぶさないように軽い感じで中央部分のみをかけるのがポイントです。もう半分の身頃も同じ要領でかければOKです。
パンツ
アイロン台にパンツの片足をのせ、縫い目がずれないよう真っ直ぐに置きます。この時、指に力を入れて右左にピーンと張るのがポイントです。この時裏地もしっかり整っている事もチェックしてください。定規などを使ってもいいでしょう。
次にプレス作業です。パンツのプレスは内股側からかけるようにしましょう。布を当て上から霧吹きします。ここでのアイロンがけは一番高い温度で、裾を引っ張りながら、ずれないように、膝下の部分にかけていきます。
プレスしたら、いったん片方の足を合わせてプリーツを揃えます。揃えたら、重ねた方を起こすようにして上げます。これでパンツのプレスラインをチェックします。
再び布を使いながら、膝上から股上にかけてプレスします。ジッパーより上はポケット等の跡、俗に言う“アタリ”が出やすいため、スチームをかけるくらいにしておきましょう。
パンツで大事なのが、裾部分。しっかりとアイロンがけをすると全体がビシッとなります。スナップの付いたダブルの場合も、やはりアタリが出やすいので注意してください。
ワンポイントアドバイス
@スーツの良し悪しはアイロン

服は着ている間にいろいろなところの形が崩れてきます。その時役に立つのがアイロンです。型崩れをした部分に濡れた布をあててアイロンをかけると仕立て上げたときのように、美しい形を取り戻すことができます。汚れのない、しかもきちんとプレスされたスーツを着るためには、それぞれの繊維にふさわしい湿度と温度で、なおかつ滑りのよいアイロンを使うことをおすすめします。また、あまり頻繁にアイロンがけするのは、かえって生地を痛め、破れの原因にもなりますので、特別の場合の他は、1週間に1回くらいが理想です。


Aアイロンの温度

羊毛→160℃前後
綿・麻→180℃前後
レーヨン→170℃前後

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は熱に弱く、テカリや縮みの原因になるので、最初は120℃以下で必ず当て布などで様子を見ながら慎重に行ってください。


Bアイロンのかけ方

布地は縦・横の繊維が組み合わさって作られています。これを美しく仕上るには、アイロンを使って、縦糸・横糸の2方向に同じような力を加えてあげるのがコツです。糸の太さが同じであればどちらからかけてもいいのですが、違う場合は太い方からかけるとより奇麗に仕上がります。




ブラッシング   アイロンプレス   保管・収納   汚れた時の応急処置   クリーニング

スーツは厚みのあるハンガーに吊して保管するのがベストです。また、ハンガーに吊して置く収納スペースがな
い場合は、丁寧にたたんでギュウギュウに押し込まないことがポイントです。いずれにしても時々外に出して虫
干しすることを忘れないでください。これにより虫食いなどの被害も減少します。

●ハンガーの選び方

肉厚のある木製のものがベスト
脱いだ後、ハンガーにかけるのは当然のことですが、ハンガーならなんでもいいというわけではありません。特にクリーニング店などで付いてくる針金ハンガーの様に細いものだとジャケットが型崩れしてしまいます。できるだけ、肩がシッカリと厚みのある物を選び、材質は汗などの湿気をとる木製のものが理想的です。
スーツの型崩れを防ぐには、基本的にはポケットの中身を全て取り出しておくのが理想的です。パンツのベルトも抜いておいた方がいいでしょう。また、パンツは右の絵のようなもので、裾をクリップしてさげておくとシワ回復効果も期待できます。

●簡単なたたみ方

なるべくシワができにくい上手なジャケットのたたみ方は?
まず折り返されている衿を起こして右図のようにします。
ジャケットの肩の部分を持ち、ジャケットの形を崩さないよう注意しながらフワッと前に向けてふたつ折ににします。この時余計なシワが出る場合があるので、前のボタンは留めない方がいいでしょう。
シワを最も少なくし、しかもこのままタンスにしまってもOKな簡単で一般的なたたみ方です。しまう際は、新聞紙などを丸めて肩の内側にあて、旨にも多少のふくらみを持たせましょう。

●簡単虫干し術

虫干しというと大げさですが、要は衣類の中にたまった湿気を取り去ることが目的で、やり方は簡単です。
  • 湿気の少ない日に行います。サッパリしたすがすがしい日は湿度も低いと考えてまず間違いありません。
  • 部屋の窓、できれば扉も開放して空気の通りをよくし、部屋ごとの虫干しを。服は直射日光が当らないように気をつけつつ、部屋の中に吊るしておくだけでOKです。
これを収納前の1〜2時間ほど行うだけで服の寿命が全然違ってきます。
ワンポイントアドバイス
@スーツを着終ったら、ブラッシングと共に霧吹きなどで水を軽くかけてあげると、シワなどの回復性も高く、また染み付いた嫌な臭いなどにも効果的です。

A季節の間に着ないスーツは保存しておきますが、保存上で特に注意しなければならない点は、

   1)カビをはえさせないこと

   2)虫に食わせないこと

カビの原因は主に湿気です。布地に「のり」のついている衣類は湿気を吸収するとカビが繁殖しやすくなります。一度カビがついてしまいますとその色素が染みついてクリーニングでもおちない場合があります。また、しだいに繊維を弱くしてしまいます。雨が長く続いた後などは、とくに虫干しなどで乾燥させる必要があります。また、保存中は虫害も受けやすくなります。主な害虫は、衣蛾類・もうせん蛾類・かつおぶし虫・しみ虫・こおろぎ・アブラ虫などがあげられます。これらの害虫は主として、3月下旬から11月下旬までの間で、幼虫のときに繊維を食べます。これらを防ぐためには、通気性がよく、かつ密封性の高いスーツバッグやカバーに入れ、防虫剤を添えて虫が直接スーツに触れることができないようにすることが重要です。




ブラッシング   アイロンプレス   保管・収納   汚れた時の応急処置   クリーニング

大事なスーツにできたシミはとても気になるものです。すぐにクリーニング店に持って行けない場合はとりあえず
濡れタオルなどで応急処置をしましょう。ただしシミや汚れの種類によって処置の仕方も異なりますので注意して
ください。応急処置の後は、一日も早くクリーニング店に持って行きましょう。

簡単なシミ抜き法
これは裏側からシミ抜きするやり方です。まずシミ側に乾いたタオルを敷き、裏側から湿した布でたたき、タオルにシミ汚れを浸透させていく方法。
もうひとつの方法は、洗剤の溶液に浸し、絞ったタオルでシミの部分を直接たたきます。次に霧吹き使い、洗剤による和ジミをぼかしていく方法。
シミの種類と処置の方法
シミの種類 応急処置 シミのとり方
水で固く絞った布でたたき、吸い取っておく
  • 温水または、うすいアンモニア(0.5%)をしみこませて固くしぼった布でたたくようにして取る
  • 取れないものは洗濯する
血液 水で固く絞った布でたたき、吸い取っておく
  • アンモニア水、洗剤液で洗う
  • 黄色く残ったものは、シュウ酸液でつまみ洗いをする
泥はね よく乾かしブラシをかける
  • 泥はね部分をもみとるようにしてはらう
  • とれない場合は洗剤でつまみ洗いをする
油ジミ ティッシュペーパーで吸い取っておく
  • 石油ベンジンでひろがらないように注意して拭き取る
  • 必要に応じて洗濯する
ペンキ 出来るだけ乾くまでにとるようにする
  • シンナーで溶かしとり、洗濯する
  • 小さいシミはドライクリーニングの後もみ取る
ファンデーション ビロードの布で拭く
  • 水で固く絞った布でたたき取る
  • 石鹸液で取る
口紅 ティッシュペーパーで取っておく
  • 約10倍の食器用洗剤温液でつまみ洗いし、水洗いする
  • 取れない時は繰り返す
ガム 出来るだけ繊維からはがしておく
  • 氷で冷やし、硬化させてはがす
  • 取れない時はドライクリーニングの後もみ、粉末化させてはらい取る
ソース・醤油 固く絞ったハンカチに吸い込ませる
  • 水で固く絞った布でたたき取る
  • 取れないものはアンモニア液、洗剤液で取る
ミルク・バター ミルクは水で絞った布で、バターは乾いた布でつまみ取っておく
  • ベンジンで取り、アンモニア液か石鹸液で繰り返したたき出す
  • すべて熱は禁物
酒・ビール 水で絞ったハンカチでたたく
  • ぬるま湯で絞った布でたたく
  • 中性洗剤液で取る
  • 古いものは酢酸液かアルコールで取る
果汁・茶・コーヒー 固く絞ったハンカチに吸い込ませる
  • 水洗い、中性洗剤液で取る
  • 酢酸液か酢で取る
墨汁 そのままにしておき、熱をかけてはならない
  • ご飯粒に洗剤を混ぜたもので繰り返しもみ出す
  • 石鹸洗いする
朱肉 そのままにしておき、熱をかけてはならない
  • 中性洗剤の原液をつけてスポンジでたたく
  • 取れない場合はアルコールをしみ込ませた布でたたき取る
その他のシミの処置
ケチャップ 紙で拭き、酢で拭き取ります。色が残ったらオキシドールで拭いてください。
こげあと スチールウールで表面を軽くこすり、その後オキシドールをガーゼに含ませ、その上から熱いアイロンをかけ、漂白します。
コーラ・サイダー 残るシミはオキシドールで拭くか、あるいは洗剤を入れたぬるま湯で拭きます。
サビ(鉄) 酢で拭きます。ひどい汚れは酸性のトイレクリーナーで拭くといいでしょう。
ジャム アルコールまたは温湯で洗いとり、中性洗剤を入れたぬるま湯で拭き上げます。
水拭きでOKです。
スープ 洗剤で絞ったタオルで拭きとります。
卵の白身 温湯は使わないでください。冷たい水を布に付けて擦るか、大根汁とか小鳥のフンを練ってつけ、乾いてから水で拭き上げます。
チョコレート 紙で拭き、乾いてからブラシをかけて、それでも取れないものは、水と消毒用アルコールを半々にしたものを付けて拭きます。
灯油 粉末洗剤をかけてまず洗剤に灯油を吸収させます。それをブラシではらえばOKです。後は自然に蒸発するので、窓を開けて乾かしてください。
尿 すぐ水で拭き、その後お湯で絞ったグリコールエーテル入りクリーナーを付けて拭きます。
歯磨き粉 水で拭くだけOKです。
フン(犬・猫) すぐに塩水で拭き取り、その後5%のアンモニア液で拭いて、最後に中性洗剤を入れたぬるま湯で拭き上げます。柔らかいときは、塩や灰、クレンザーなどの白い粉末をかけてブラシで取ります。その後は水で拭いてください。
ポマード 紙で出来るだけ拭き取って、後はアルコール、時には水で絞ったタオルにグリコールエーテル入りクリーナーを付けて拭きます。
マニキュア 除光液で注意しながら拭き取ってください。
みそ汁 水で拭き取ればOKです。
ヨードチンキ アルコールで拭き取ってください。
ラッカー 除光液、またはシンナーで拭き取ります。
ワセリン アルコール、または灯油でも綺麗に落ちます。




ブラッシング   アイロンプレス   保管・収納   汚れた時の応急処置   クリーニング

毎日のブラッシングだけでは取れないホコリや汚れがあり、そのままにしておくとスーツの寿命は短くなります。
特に害虫などは、目に見えない汚れてい部分などに多く害をもたらします。スーツを害虫から守り、長持ちさせ
るためには最低3ヶ月に1度(理想は1ヶ月に1度)はクリーニングに出すことをおすすめします。その際、その
スーツの絵表示や品質表示をチェックし、汚れの箇所や、わかるのであれば原因などもクリーニング店のスタ
ッフに正確に伝えておくことが重要です。

洗濯の絵表示
水温は、40℃を限度とし洗濯ができる
水温は、60℃を限度とし洗濯ができる
水温は、95℃を限度とし洗濯ができる
水温は、40℃を限度とし洗濯機の弱水流または弱い手洗いがよい
中性洗剤を使用
洗濯ネットを使用
水温は、30℃を限度とし弱い手洗いがよい。(洗濯機は使用不可)
水洗いできない
ドライクリーニングができる溶剤はパークロルエチレン、石油系のものを使用する
ドライクリーニングができる溶剤は石油系のものを使用する
ドライクリーニングができない
アイロンの絵表示
アイロンは210℃を限度とし高い温度(180〜210℃まで)でかけるのがよい
アイロンは160℃を限度とし中程度の温度(140〜160℃まで)でかけるのがよい
アイロンは120℃を限度とし低い温度(80〜120℃まで)でかけるのがよい
アイロンがけできない
当て布をする
塩素系漂白の絵表示
塩素系漂白剤による漂白ができる
塩素系漂白剤による漂白ができない
しぼり方の絵表示
手絞りの場合は弱く遠心脱水の場合は短時間で絞る
絞ってはいけない
干し方の絵表示
つり干しがよい
日陰のつり干しがよい
平干しがよい
日陰の平干しがよい
ワンポイントアドバイス
  • スーツをクリーニングに出す際は、色の片寄りを防ぐため、出来るだけ上下一緒に出すことをおすすめします。
  • 礼服など、一般的に他の人との類似品にあてはまるものは、ネームや品番などで、必ず自分のものと見分けがつくようにしておいた方がいいでしょう。
  • 段返り仕様のスーツはクリーニング店によっては通常の3ツボタンスーツと勘違いをして、衿のプレス位置を誤ってしまうケースがありますので、その旨をしっかりとクリーニング店に伝えておいた方がいいでしょう。
  • クリーニングから帰ってきたスーツは、クリーニング店の袋やハンガーを使ってそのまま保管または収納してはいけません。通気性が悪くカビの原因にもなりますし、針金のハンガーがパットが傷む原因になりますのでご注意ください。→保管・収納の詳細